11th

第11回創健フォーラム 2018.11.18開催


画像の説明
 
 
2枚組DVD
¥2.520
 

食から健康を考える

 生活習慣の基本は 、調和のとれた食事(栄養)、適切な運動そして十分な休養・睡眠です。よく食べ、よく動き、よく眠ることです。
 かつて、プライス博士は「食生活と身体の退化」を著わし。文明化された食習慣が人間の生命体を破壊しつつあると警鐘を鳴らしました。また、食生活の重要性に気付いていた片山恒夫博士は、この書籍を、歯科治療を必要としている人のみならず、全ての国民の健康を維持・増進させるために必須と考え、翻訳・自費出版しました。それから40年経った今、歯科界も「食」に関わる新たな方面に動き出そうとしています。

世界で注目され、もてはやされている「日本食」は、現在どのように捉えられ、どのように変わってきたのでしょう。食べることは生きること。口から食べることの重要性とは何か?それゆえに歯科の役割とは何か?

今回のフォーラムで、現代における食品(食材)を通しての健康について、一緒に考えてみましょう。


演題

『健康維持増進のための機能性農産物開発の現状と課題』
山本(前田)万里先生 (農研機構 食農ビジネス推進センター センター長)

『食物アレルギーの現状とそばアレルゲン』
佐藤里絵先生 (農研機構 食品研究部門 食品健康機能研究領域 食品機能評価ユニット)


懇話会

各講師への質問と回答
1時間があっという間に過ぎてしまいました。


佐藤里絵先生への質疑から

Q1
Fag e 2の分解について
消化液として胃液だけでなく、唾液について
・浸漬時間との関係は?
・量(Fag e 2 vs 唾液量)など、その環境、例えば口腔内などでは分解はどうなるのか?
佐藤先生
唾液を用いた消化性実験は行っておりません。アレルゲンは比較的消化されにくいものが多く、Fag e 2もまた消化されにくいアレルゲンであると予想されたため、まずは胃液による影響を調査しました。唾液や腸液による影響調査は今後の課題です。

Q2
アレルゲンが感作される場所はどこでしょうか?消化管の中?消化管の粘膜表面?吸収されて体内で感作?など考えられますが、どこでしょうか?
佐藤先生
食物アレルギーの主要な感作経路は腸管であると考えられてきました。また近年、経皮感作の可能性も示されています。

Q3
アレルギーを起こすのに、一つの食材でなく、二つ以上の食材が合わさって起こす場合がありますか?
佐藤先生
複数の食材が合わさることで症状が引き起こされる、という報告は今のところないと思われます。

Q4
アレルギーの原因となる食物の鶏卵、牛乳の比率が高いのはそうかと思いますが、果物類が原因の5位に位置してますが、どういう理由が考えられるのでしょうか?
人類は原猿類の基本食(果実、根茎食)から雑食性へと進化していったと、何かの本で読みましたが、果物の熟成時期を誤って食べるためでしょうか?
又は、果物の生存地域と人類の生息地域のずれによるためでしょうか?(つまり、食べ慣れない果物を食したためでしょうか?
佐藤先生
果物アレルギー患者数は増加傾向にありますが、その理由は花粉症との関連も指摘されております。これは、花粉症の原因抗原(アレルゲン)と、果物に含まれる抗原とが類似していることによります。これを交差反応性といいます。花粉と果物の交差反応性により引き起こされるアレルギーは主に口腔アレルギー症候群といい、カバノキ科花粉(シラカンバ、ハンノキ)はバラ科果物(リンゴ、モモ、サクランボなど)やマメ科と、イネ科花粉(オオアワガエリ、カモガヤ)はウリ科果物(メロン、スイカなど)と、キク科花粉(ブタクサ、ヨモギ)はセリ科野菜と、というように、花粉と食物との関連性が報告されております。また、この場合の抗原は熱や消化に比較的弱いため、症状は主に口腔内にて生じ、また、果物を加熱処理などした果物は食べられることが多いです。

Q5
米はランクされていないのに、小麦がランクされているのは何か違いがあるのでしょうか?
佐藤先生
ランクには患者数と症状の重症度が関係していると思われます。小麦は米と比べて比較的重い症状を引き起こす患者さんが多いのに対し、米の場合は比較的軽い患者さんが多いため、小麦よりも病院に来院される患者数が少なくなっている可能性もあります。